先物取引の仕組みとは?
先物取引とは、将来のある時点での売買を事前に約束しておく取引のことです。「別に、その時点での値段で売買を行えばいい」と考え、先物取引などは必要ないと思っている人もいるでしょう。けれど、農作物などの値段は天候によって、石油などのエネルギーの値段は世界情勢によって予想より遥かに大きく変動する可能性を秘めています。例えば、輸出企業などは、為替が1円変動するだけで、何億もの損害が出てしまう場合がありますよね。そのようなことがなく、安心して取引を行うことが出来るように、予め決められた期日に、決められた価格にて取引を行うことを契約したものが先物取引です。こうすることによって、将来における損失を最小限に抑えることが出来るようになるのです。また、先物取引には大きく分けて3つの種類があります。まず、株価指数先物や国債先物などを取り扱う「証券先物取引」。次に、金利先物や通貨先物などを取り扱う「金融先物取引」。最後に、農産物、ゴム、砂糖、または、石油などのエネルギー関係や貴金属、非鉄金属などを取り扱う「商品先物取引」。私達がよく耳にする「先物取引」とは、最後の商品先物取引を指すことが多いようですね。先物取引では、約束した期日より前であっても売買が行える自由さもあります。それに、売買を約束していても実際の現物の受け渡しは行われず、値段の変動だけで決済を完結させてしまう「差金決済」という取引の方法が、現在の先物取引では主流となっているようです。